レアアース?期待できますね。
レアアースと日本の未来
経済安全保障の鍵を握る「産業のビタミン」。その現状と、日本のEEZ(排他的経済水域)に眠る南鳥島沖の巨大な可能性をインタラクティブに探ります。
レアアースとは何か?
レアアース(希土類)は、スカンジウム、イットリウム、およびランタノイド系15元素の合計17元素の総称です。実際には「稀(まれ)」なわけではありませんが、経済的に採掘・分離・精製するのが難しいため、そう呼ばれています。これらは現代産業に不可欠な「産業のビタミン」です。
主要なレアアースとその用途
下のボタンをクリックして、代表的なレアアースがどのような製品に使われているかを見てみましょう。
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レアアースの主な用途別シェア
レアアースの最大の用途は、EV(電気自動車)や風力発電機に不可欠な高性能磁石(永久磁石)です。
世界の供給網とリスク
レアアースの供給網は、特定の国、特に中国に大きく依存しているという大きな課題を抱えています。採掘(鉱石)のシェアも高いですが、それを製品に使える形にする分離・精製プロセスは、さらに寡占化が進んでいます。
世界のレアアース生産量シェア (2023年推定)
鉱石の採掘段階でも、中国が全体の6割以上を占めています。
世界のレアアース埋蔵量シェア (2023年推定)
埋蔵量ベースでは生産量ほどの偏りはありませんが、それでも中国が最大です。
供給網のリスク:「2010年の教訓」
2010年、日本はレアアースの対中輸入が事実上停止するという事態(レアアース・ショック)を経験しました。これにより、ハイテク製品の生産が滞る危機に直面し、特定の国に依存する経済安全保障上のリスクが強く認識されました。
日本の挑戦と未来
レアアースのほぼ全量を輸入に頼る日本は、2010年のショックを受け、供給網の多角化、代替材料の開発、リサイクル、そして国内資源の開発という多角的な戦略を進めています。
日本のレアアース輸入元 (2022年)
多角化は進んでいるものの、依然として中国への依存度は高いままです。
日本の基本戦略:「3R + D」
日本は、リスクに対応するために以下の4つの戦略を柱としています。
Reduce (使用量低減)
レアアースを使わない、または使用量を大幅に減らした製品(例:脱レアアース磁石)の開発。
Recycle (リサイクル)
使用済み製品(「都市鉱山」)からレアアースを回収し、再資源化する技術の確立。
Replace (代替)
レアアースの機能を持つ、より安価で安定供給可能な他の材料への置き換え研究。
Diversify (供給源多角化)
中国以外の国(豪州、米国、カザフスタン等)からの輸入を増やし、国内資源を開発する。
希望の光:南鳥島プロジェクト
日本の戦略の中で最も大きな可能性を秘めているのが、日本最東端の島「南鳥島」周辺の排他的経済水域(EEZ)内で発見された「高濃度レアアース泥」です。
桁外れの埋蔵量
南鳥島沖の海底(水深約5,500m)に広がるレアアース泥は、世界の消費量の数百年分に相当すると推定されています。特に、ジスプロシウムやテルビウムといった需要の高い重レアアースを豊富に含んでおり、日本の「資源大国」化の可能性を秘めています。
日本の排他的経済水域(EEZ)内であるため、日本が自主的に開発できる純国産の資源である点が最大の強みです。