大阪IR(統合型リゾート)?
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万博に続き、勢いがありますね。
大阪IR(統合型リゾート)について、現在の状況を中心に以下の通りレポートします。
1. 大阪IRの概要
- 名称: 大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域
- 場所: 大阪市此花区夢洲(ゆめしま)
- コンセプト: 「日本成長への貢献」「関西の成長への貢献」「大阪のさらなる魅力向上への貢献」を基本方針とし、国際観光拠点となる「世界最高水準の成長型IR」を目指しています。カジノ施設に加え、国際会議場、展示場、ホテル、商業施設、エンターテインメント施設などが一体となった複合観光施設となる予定です。
- 事業主体: 大阪IR株式会社(中核株主:合同会社日本MGMリゾーツ、オリックス株式会社)
2. これまでの経緯
- IR推進法の成立後、大阪府・市は共同でIR誘致を目指し、事業者公募などを実施しました。
- 2022年3月には大阪府・市議会で区域整備計画案が可決されました。
- 2023年4月、国(国土交通大臣)により大阪のIR区域整備計画が認定されました。これは日本で初めての認定となります。
- 2023年9月には、大阪府・市と大阪IR株式会社との間で実施協定が認可・締結されました。
3. 現在の状況
- 開業時期: 2030年秋ごろの開業を目指しています。当初の予定からは遅延しています。
- 建設状況:
- 2023年12月より、液状化対策工事に着手しています。
- 2025年4月24日には本体工事の起工式が行われ、建設工事が本格的に開始されました。
- 隣接地で開催される2025年大阪・関西万博への影響を考慮し、工事のピークを万博閉幕後にするなど調整が行われる計画です。
- 資金調達: 初期投資額は約1兆2,700億円(税抜き)が見込まれており、出資とプロジェクトファイナンスによる借入れで賄われる計画です。
4. 特徴・ポイント
- MICE機能の強化: 国際会議場や展示場を備え、ビジネスイベント(MICE)の誘致による国際的な交流促進や経済活性化を目指します。
- 国際観光拠点: カジノだけでなく、多様なエンターテインメント、宿泊、商業施設などを通じて、国内外から幅広い観光客を呼び込み、滞在期間の長期化や消費拡大を図ります。
- 経済効果: 建設時および運営時において、近畿圏での経済波及効果や雇用創出効果が大きいと試算されています。
5. 懸念点・課題
- ギャンブル依存症対策: カジノ施設を含むため、ギャンブル依存症への対策や周辺地域への影響に対する懸念が依然としてあります。事業者や自治体による厳格な対策が求められています。
- 建設費の高騰や資金調達: 世界情勢や物価高騰の影響による建設費の上振れリスクや、巨額な資金調達の確実性が課題として指摘されることがあります。
- 地域との連携: 地域住民や既存の観光産業との調和、共存が重要となります。
- 収益計画の実現性: 収益の大部分をカジノが占める計画に対して、その実現性や国際的なIR市場の変化への対応も注目されています。
6. 今後の展望
現在、本体工事が開始され、2030年秋ごろの開業に向けて事業が進められています。今後、建設工事の進捗とともに、具体的な施設内容やサービスの詳細が明らかになっていくと予想されます。大阪・関西万博後の夢洲の活用という側面もあり、日本の新たな国際観光拠点として期待される一方で、前述の課題にいかに対応していくかが成功の鍵となります。
以上、大阪IRに関するレポートです。最新の情報は随時更新される可能性がありますので、関連ニュースなどをご確認ください。