第五次LGWAN?

第五次LGWAN? 開始時期が前倒しされてるんですね。


第5次総合行政ネットワーク(LGWAN)に関するレポート

総合行政ネットワーク(LGWAN: Local Government Wide Area Network)は、地方公共団体を相互に接続する、セキュリティが確保された閉域ネットワークです。行政事務の効率化、情報共有の促進、住民サービスの向上などを目的として、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)によって運営されています。

現在、LGWANは第4次の運用期間にあり、次のステップとして「第5次LGWAN」への移行に向けた準備が進められています。以下に、現時点で分かっている第5次LGWANに関する情報をまとめます。

1. 背景と目的

  • 技術の進化と環境変化への対応: クラウド技術の普及、サイバー攻撃の高度化・巧妙化、働き方の多様化など、地方公共団体を取り巻く環境は大きく変化しています。第5次LGWANは、これらの変化に対応し、より安全で柔軟、かつ効率的なネットワーク基盤を提供することを目指しています。
  • 政府のデジタル政策との連携: 政府が進めるデジタル庁創設やガバメントクラウド(Gov-Cloud)の整備・利用促進といったデジタル・ガバメント推進方針と連携し、地方公共団体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支える基盤となることが期待されています。特に、ガバメントクラウドへの円滑な接続は重要な要件となります。

2. 第5次LGWANの主な特徴・検討事項(予定)

第5次LGWANの具体的な仕様は、現在J-LISを中心に検討・調達準備が進められている段階ですが、主に以下のような点が重視されると考えられます。

  • ゼロトラスト・アーキテクチャ(ZTA)の導入: 従来の境界型防御に加え、「何も信頼しない」ことを前提としたゼロトラストの考え方を導入し、より高度なセキュリティ対策を目指します。これにより、内部からの不正アクセスや、万が一境界を突破された場合のリスク低減を図ります。
  • クラウドサービス利用の最適化: ガバメントクラウドをはじめとする各種クラウドサービスへの接続性や親和性を高め、地方公共団体がクラウドをより安全かつ効率的に利用できる環境を整備します。
  • ネットワークの柔軟性と拡張性の向上: 将来的なトラフィックの増大や新たなサービスの追加にも柔軟に対応できる、拡張性の高いネットワーク構成が検討されています。アクセス回線の多様化なども視野に入っています。
  • 運用管理の効率化とコスト最適化: 最新技術の導入により、ネットワーク全体の運用管理の効率化を図るとともに、コストの最適化も目指します。

3. スケジュール(見込み)

  • 第4次LGWANの運用期間は、概ね2025年度(令和7年度)末までとされています。
  • 第5次LGWANへの移行は、2025年度(令和7年度)から2026年度(令和8年度)にかけて行われる見込みです。現在、J-LISにおいて仕様策定や調達手続きが進められています。

4. 地方公共団体への影響

  • システム移行: 第5次LGWANへの移行に伴い、各地方公共団体では接続機器の更新や設定変更などが必要になる可能性があります。
  • セキュリティ対策の見直し: ゼロトラスト導入など、新たなセキュリティ要件に対応するための体制整備や職員研修が必要となる場合があります。
  • クラウド活用の促進: ガバメントクラウド等との連携強化により、新たなクラウドサービスの導入や業務プロセスの見直しが進む可能性があります。

5. まとめ

第5次LGWANは、単なるネットワークインフラの更新に留まらず、国のデジタル政策と連携し、地方公共団体のDXを加速させるための重要な基盤となることが期待されています。セキュリティの強化、クラウド親和性の向上、ネットワークの柔軟性向上などを通じて、将来の変化に対応し、より質の高い行政サービスの提供に貢献することを目指しています。

今後のJ-LISからの情報提供や、具体的な仕様・スケジュールに注意していく必要があります。

情報収集にあたっての参考:

  • 地方公共団体情報システム機構(J-LIS)のウェブサイト
  • 総務省の関連情報
  • 各種IT系ニュースサイトや専門誌における報道

(※本レポートは、2025年4月時点での公開情報や一般的な動向に基づき作成しています。詳細な仕様やスケジュールは、今後のJ-LISの発表等により変更される可能性があります。)